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2つ目は、「相手の出方を見てから自分の出方を決める」というものです。 この場合は、相手の出方はさまざま異なりますから、自分の出方もいろいろ違ってきます。
「今日の用件は何ですか?」と聞かれれば、自分の主張を述べることになります。 相手が世間話をしてきたら、自分のいいたいことを切り出しにくくなるでしょう。

「実は一一」といって相手が何事かを話し始めれば、それを聞かなければなりません。 原則としては、どちらがよいと思いますか?2つ目の相手の出方を見るやり方は、相手に合わせるので、一見、相手の立場に立って良さそうです。
しかし、これでは相手のペースにはまりやすく、交渉の展開がケースバイケースとなって、自分の交渉目的を達成しにくくなります。 相手次第の「受け身型」になりやすいのです。
一方、1つ目の自分から切り出していくやり方は、交渉をコントロールしやすくします。 「実は、今日お伺いしたのは一一(これこれこういう用件で)一一」と進めていけばよいのですから。
そもそも交渉に行くからには、自分として何かいいたいことがあるから行くはずです。 あるいは席上、突然別案件について話されてしまい、そこから交渉がスタートすることもあり得ますが、この場合でも自分の意見があるはずです(どう答えてよいかわからなければ、いったん帰ることになってしまいます)。
さて、自分の意見や考えがあるのなら、それをキチンと述べることがスタートになるでしょう。 述べないのなら交渉している価値がありません。
当事者ということになりません。 相手の顔色をうかがうという古い日本的(?)な発想ではなく、いいたいことがあれば誰に対してもいう、という姿勢で堂々と相手と接したいものです。
つまり、相手の出方を待つのではなく、自分から主張を切り出したいのです。 しかしここで、必ずワンセットで行わないといけないことがあります(そうでないと、単に自分の考えを押しつける「ごり押し型」で終わってしまいます)。
それは、自分がいいたいことを話したら、当然のことながら相手にもいいたいことを話してもらい、それをよく聞かなければいけない、という点です。 「〜と私は考えるのですが、課長様はいかがお考えですか」という具合です。
この当たり前のことを、意外とやろうとしない人が多いのです。 というのも、自分の主張を通すことに急ぐあまり、相手の言い分を聞く耳をもつ余裕がなくなるのです。
さて、お互いの言い分を話すと、お互いの意見の対立点がハッキリとします。 「自分はAと考えますが、課長様はBとお考えなのですね」と。

今回考えている「交渉」は、対立がある場合でした(もし、ここの段階で相手と合意できれば、そこで終わりです)。 対立が明確になれば、そこから本格的な交渉が始まります。
逆にいえば、対立が明確になったからこそ、交渉が必要なわけです。 これが、第1番目の「OG」フェーズということになります。
自分はA、相手はB、と考えていることがわかりました。 では、次はどう進めればよいでしょうか?統合的交渉では、AかBかではなく、AとBからより良い解決策C案作りを目指すのでした。
そこで、このあとの展開は、C案を作るように進めればよいことになります。 つまり、AとBからCを作るという問題解決のプロセスとして、交渉を進めればよいのです。
さて、交渉ということに限らず、一般に、問題解決のプロセスは簡単にいえば次のようになります。 1.現状把握(現状はどうなっているのか、どんな不具合があるのかを調査、確認する)2.問題・課題の明確化(本当の問題や手を打つべきテーマ(課題)を明らかにする)3.解決策の作成(課題に対する解決策を作る)4.実行計画の作成(解決策を、誰が、どのようにやるのかなど、具体的に進め方を決める)そして、この4つの1つ1つがおおよそIWPのフェーズ1つと対応しています。
では、各フェーズの趣旨を次にあげます。 自分の主張を明確に伝え、ついで相手の言い分も聞いて、お互いの主張の対立点を明確にします。
「Opinion(オピニオン)」はお互いの考えや意見を指します。 そしてその対立、つまり「Gap(ギャップ)」を明確にするというフェーズです。
それぞれの頭文字をとって「OG」と名づけます。 CM(CoreMission)フェーズ-2.問題・課題の明確化[共通課題の発見]。
対立点の背景や奥の事情をヒアリングして、本当の問題や課題は何かを見出していきます。 「この点を解決できればよいですね」と、相手と一緒になって「Core(核)」になる「Mission(使命、役割)」を合意するフェーズです。

SL(SolutionList)フェーズ-3.解決策の作成[解決策の創造]。 合意した課題に対する解決策を一緒になって作り出します。
可能性を広げるため、できるだけ複数案作るようにします。 その「Solution(解決策)」を「List(リストアップ)」するフェーズです。
IWPOntegratedWinningPoint)フェーズ-4.実行計画の作成[両者意見の合意形成]複数案を相対比較し、次にその改善をしながら1つに決め込んでいきます。 「Integrated(統合された)」両者が「Winning(共に勝つ)」ための「Point(合意点)」に至るフェーズです。
自分の主張は自分から切り出し、対立点を明確にする。 それが交渉の第一段階となる。
4つのフェーズは、問題解決プロセスに対応している。 交渉のスタート時には、いろいろな状況があり得ます。
いざ交渉をスタートするとさまざまな状況があり得るわけですが、次のような場合が多いと思います。 a[こちらから相手に何かを依頼したい、提案したい]しかし[相手はすんなりとイエスとはいってくれないだろう]と予想される場合。

b.[相手から何かを依頼されて、その回答をもっていく]しかし[その回答では相手はイエスとはいわないだろう]と予想される場合。 C.[こちらの提案や主張に対して、結果的に相手からノーが出た]場合(この場合は、OGフェーズの「プレゼンテーション」をやってみたところ反対が出た、ということになります)。
なおここでの「相手」とは、ユーザやプロジェクトのメンバー、他部門の人、外注先等です。 相手が誰であっても、言葉遣いだけの問題で全く同じ進め方でかまいません。
ただし自分の上司に対しては、「権限」の問題がありますので(最終的に決める責任があるのは自分ではなく上司)、その点の配慮が別途必要となります。 OGフェーズでは、上にあげたようなさまざまなスタート時の状況に応じて、上手く対応していかなくてはなりません。
場をほぐし、自分の考え(A案)を相手に伝え、次に相手の考え(B案)をよく聴いて理解し、お互いの意見の対立点、ギャップを明確にするフェーズです(図14)。 次節からは、このOGフェーズの流れを、各ステップに分けて紹介していきましょう。
次に相手の反対(B案)をしっかり受け止めてギャップを明確にする。 ステップ1、緊張をほぐすスタート時には雰囲気作りから入ります。
これから難しい話し合いをしようというのですから、最初はちょっとその場の雰囲気を和らげる配慮をするのが普通でしょう。